COLUMN

2021/09/02
婚活

届けたい「婚喝」がある

 今回は熊本県で「婚活界の瞬間接着剤」「歩くカップル製造機」と呼ばれ、これまで婚活イベントで1500組以上のカップルを成立させてきた婚活コーディネーター・荒木直美氏に寄稿頂きました。

 結婚支援歴22年、婚活コーディネーターの荒木直美です。結婚願望がある人にとって婚活は人生のリスクマネージメント。ここでは、婚活するならば知っておきたいハザードマップを紹介します。

失敗してほしくないから…届けたい「婚喝」がある。

 いつか結婚しようと思っている方へお願いしたいのは、早い段階で、婚活をいつ始めるか、人生のどのタイミングで結婚するかを考えてみてほしいということ。私は現場で、「先延ばしは自滅の刃」「明日やろうはバカ野郎」「婚活はハートの筋トレ」と、参加者に厳しい言葉をかけますが、どうしてそんな喝を入れるのか?それは、30歳を超えて婚活を始めた独身者が「もっと早く始めていたらよかった」と後悔している姿を嫌と言うほど見てきたからです。

「結婚したくない」「まだいい」と思っている時ほど、実は結婚しやすい!

コロナ禍以前の婚活イベントの様子

 私は20代~60代の幅広い年代の独身者を応援していますが、20代の婚活はとても順調にすんなり決まっていきます。その代わり、30代後半~40代になると婚活は難航します。お互い人生経験もあるので目も肥え、理想の押し付けあいで平行線。距離は縮まらず、すれ違いです。50~60代になるともっと難しくなり、中には老後のために介護士さんや看護師さんを結婚相手に探す人もいて、そんな方ははっきりとお断りしています。

 つまり、20代という、いわゆる「結婚はまだいい」「結婚はまだしたくない」と思う時期ほど結婚しやすく、逆に「そろそろ結婚したい」と思った時はすでに結婚しにくい状況にいるということです。この皮肉な事情は、以前、このコラム欄に記事を書かれた(株)ニッセイ基礎研究所・人口動態シニアリサーチャーで少子化援問題・結婚支援の専門家である天野馨南子先生の分析にあるように、結婚したカップルの平均年齢差は約1.7歳であり、このデータから結婚相手は同世代を選ぶことが多く、年齢が近い異性とのマッチング率が高いことが分かります。若い時ほど周りは結婚しておらず、多くの同世代人口からパートナーを見つけることができるわけです。

婚活のゴールデンタイムを見逃さない

未来の自分のために」をテーマに高校生と結婚について考える「婚育」の様子

 昔と比べて大学進学率も高まり社会に出る年齢も高くなりました。「みんな遅いから大丈夫」といった間違った思い込みで、婚活のゴールデンタイム(20代)を過ごすことがいかにもったいないことなのか、このことを伝えるために高校や大学で結婚のタイミングを考える授業「婚育」を行っています。先延ばしにした結果、「早くやっとけばよかった」と悔やむ先輩の声を学生に届け、早い時期の「やる気スイッチON」が自分の心と行動に余裕を持たせてくれること。事前の行動計画(ライフデザイン)が必要だと伝えています。

高校生がプロデュースする婚活イベントを現在準備中!

 現在、「学生の時に結婚について学べるチャンスを作ろう!」と高校生による婚活イベント企画を進めています。これは、県立高校の校舎を舞台にお見合いイベントを高校生がプロデュースするというもので、参加者は成人した独身者であり、高校生はもちろん裏方です。自分たちが運営することで、独身参加者が婚活する様子を近くで見ることができ、その姿に未来の自分を重ね「婚活の予習」をしてもらうのです。他、地域の人口減少対策という地方創生も目的であり、出会い不足解消と同時に高校生のキャリア教育にもなる取り組みです。

地元行政に協力を求めるため、市長に婚活イベント企画をプレゼンする高校生

 企画会議では、「好きになった人を校内放送で呼び出そう」「ドッジボールで好意を表してみたら?」「げた箱にラブレターを入れよう」など高校生ならではのアィデアがたくさん出ています。こういった高校生ならではの演出は結婚支援業界の起爆剤になるかもしれません。結婚支援サイドの高齢化が否めない今、このスタイルが全国に広がれば婚活の機運も高まります。本番は10月30日。どんな内容になるのか、ぜひ注目してください。

婚活で迷走しないためにも現実を受け入れてほしい

 最後に、私は30代以上の結婚支援に対しても手を緩めるつもりはありません。ハザードマップを理解し、自分が立っている土俵の状況を知って活動すれば現実的な婚活になります。多様化する独身者のために、参加者のライフスタイルにあった様々な出会いの場を作って応援していきますので、どうか自分らしさを出せるイベントに参加し、婚活を楽しく続けてください。

この記事を書いた人

荒木直美

婚活コーディネーター
荒木直美(あらき なおみ)

オリジナル婚〝喝″術「ARAKIメソッド」を使って成立させたカップルは約1500組以上。全国放送や全国紙でその職人技が紹介され話題に。

「目指すは日本の恋愛温暖化」をモットーに、現代を生きる若者たちの結婚を応援。全国各地の自治体・企業・団体からのオファーを受け、年間50回以上の婚活現場に立つ。熊本在住。

荒木直美 公式ホームページ
https://arakinaomi.net
※日めくりカレンダーの詳細もコチラから

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