意外と高いネット婚活の結婚へのハードル
2020年1月15日に発表されたリクルートブライダル総研の「恋愛・結婚調査2019」に、全国の20~49歳の未婚男女(回答サンプル数:2,400人)の恋愛や結婚に対する意識に関して非常に興味深い調査結果があります。
本調査によれば結婚意向のある人のうち、ご自身が将来結婚できると思っている人は約半数(53.6%)しかおらず、若年層ほどその割合が高いという調査結果です。また、結婚意向があるのに結婚できないと思っている人の「結婚できないと思う理由」を尋ねたところ、
①出会いがないから(58.2%)
②コミュニケーション力に問題があるから(44.9%)
③容姿が劣っているから(36.3%)
※複数回答
が、理由のトップ3となりました。特に理由の1位になっている「出会いがないから」は、男女それぞれ、どの年代にも共通した理由となっています。
近年、コロナ禍において、従来の恋愛結婚が難しくなってきていると言われています。徐々に恋愛結婚の比率が減り、結婚相手紹介サービスを通じて結婚する人が増えてきています。
その背景には、スマートフォンの普及によるwebサイトやアプリを通じた無料の出会いが提供されていることがあります。入会する煩わしさがなく、料金もかからない、webサイトやアプリを活用したサービスを利用し、結婚された婚姻者は2019年には6.3%であったことに対し、2020年では11.1%に急増しています。(注1)しかしながら、この11.1%という数字は、結婚に対して前向きな人が、結婚相手紹介サービスで出会って結婚しているだけで、出会いがないことが結婚できない理由と考えている人にとって、ネットやアプリでの出会いから結婚へ向かうことは、高いハードルになっていると考えられます。
▷ネット婚活のハードル
結婚できない理由に②のコミュニケーション力や、③の容姿が劣っている点をあげた婚活者にとっても、webサイトやアプリによる婚活では、その解決策はサービス提供されてません。人が介在しないwebサイトやアプリによる婚活では、当然ながら婚活者をカスタマイズし、サービス提供することは不可能です。自分でこうした欠点を克服し、長所に転換できる能力を持った人しか「出会い」に到達することができず、ある意味無料で、一見、間口の広いアプリ婚活は、婚活者にとって実はハードルが高いのではないでしょうか。利用者が急増しているアプリ婚活で活動したとしても出会いがないと感じるのは、こうしたことが要因の1つなのかもしれません。
こうした婚活者の悩みを解決し、結婚に対して前向きになれない婚活者でも結婚に導くには、婚活者が結婚に向けた課題はご自身に内在していることをしっかりと認識し、結婚に対しポジティブになって、その課題解決の方法を前向きに捉えることができるようになることがポイントとなります。即ち、カウンセラーとしての仲介者が必要なのではないでしょうか。そういった意味で、仲人型の結婚相談所の仲人は、まさしく婚活の仲介者となり得る存在です。アプリ婚活でなかなか結果がでず、悩みを持つ婚活者は非常に多いと思いますが、こうした婚活者の受け皿の1つは、間違いなく、カウンセリングをそのサービスの主体としている仲人型の結婚相談所であると思います。
全国にある結婚相談所の、会員データの共同利用システムを提供している日本ブライダル連盟では、全国の仲人さんに向けて初期研修の段階で、こうした婚活者の悩みに応えるカウンセリングの方法や、容姿で悩む会員の第一印象を服装によって大きく改善する研修などを取り入れており、婚活者の意識改革を進め、早期成婚を実現する為のノウハウ提供を行っています。また研修の受講は資格化され、資格の取得によってより会員に指導しやすいスキームとして提供しています。
webサイトやアプリによる婚活は、便利で誰でも取り組みやすいとういう意味では、時代の要請にかなっていると言うことが出来るかもしれませんが、全ての婚活者が結婚に対してきちんと向き合うことができていないという点では、不充分であり、日本の婚姻率の改善にとっては決定打とは成り得ません。決定打となるのは、傾聴からカウンセリングを体現し、出会いから成婚まで婚活者に寄り添うことができる、カウンセラー=仲人の存在であると強く思います。
※注1データ出典:リクルートブライダル総研 恋愛・結婚調査2019、婚活実態調査2021