時代に適した考え方と対応の必要性について 〜コロナ禍を受けて〜
はじめまして。
ウエディングプランナーの高森と申します。
私は沖縄県内リゾート地区のホテル勤務で、結婚式をプランニングするブライダル業務に従事しております。
新型コロナウイルス感染症の流行により、対面が当たり前の日常生活から、なるべく対面での接触を避ける社会的風潮が強まり、その影響から、多くの人が一同に集う結婚式が自粛モードとなり、結婚式の仕様が大きく変化しました。
当然ながら、外出規制や対面接触の抑制により、人々の出会いの接点数も減少し、結果として日本全体の結婚式の数は大きく減少してきました。ウィズ・コロナと囁かれてから早3年、再び沖縄らしさを取り戻し、あの頃の結婚式を取り戻せないか・・・。
そのような思いを強く感じた頃、ご縁があり沖縄県で専門的に婚活支援を行っている沖縄えんまーる事務局・婚活アドバイザーの仲原和香乃氏とお会いし、「おきなわ出会い応援企業」の取り組みに共鳴し、当館も登録させていただきました。
出会いは水のように流れていく
近年、コロナ以前から結婚式の件数は確実に減少しています。
コロナ前までは、結婚式の件数減少の要因として、晩婚化や少子化、近隣に多くの式場が建ち競合が増えた事、入籍後の家具等の準備や新居や子供の教育費に充てるなどの将来的費用などが理由として挙げられていました。
それは、私自身も結婚式にかける費用よりも、二人にとって合理的な部分に費用を充てようと思っているカップルが増えているのを現場で接してきて感じるところでした。
でも、更に重大な問題は「そもそも、相手がいない。出会いがない」ということです。
人それぞれの価値観も多様化し、女性の社会進出が進んできた中で、新型コロナウイルス感染症の流行による外出自粛など規制がかかりテレワークが急速に普及しました。これにより、人は外出せずに働くことができる環境が一気に整ったとも言えます。
一方で、様々な外出先で訪れる自然に出会う確率が一時的に確実に減ったことから、マッチングアプリなど”出会い方”にも変化が生じてきました。人が仕事を探すときのように見つけたとき、出会った時が一つのタイミングです。時間の流れのように出会いのタイミングもその一瞬で逃すと流れていきます。
沖縄県の未婚率は男女ともに全国平均を上回るとても深刻な事態が続いており、もはや「誰もがいずれ結婚する」という概念は遠い昔の話なのです。
おきなわ出会い応援企業
そんな日常の中、ひとつのきっかけが私のウエディングプランナーとしての想いに火が付く出来事がありました。
沖縄えんまーる事務局・婚活アドバイザーの仲原氏との出会いで、去る2021年12月26日、当館で初の試みとなる婚活イベントの開催が決定したのです。
当時の私の思いは、「友人の付き合いで参加する方が居るんでしょ」とか「サクラが来るんじゃないか」など、どこかで、本当に人数は集まるのだろうかと半信半疑な気持ちがありました。
ところが、わたしの心配をよそに、早い段階で応募定員に達したとの報告が入りました。
リゾート地区での開催というコンセプトから婚活アドバイザーの仲原氏のアドバイスにより、海を見渡せるチャペル見学のスケジュールを組み、料理は緊張からあまり食べられない方もいらっしゃるのでは?とピンチョスなど一口サイズの料理やデザートをメインに準備するなど、1組でも多くのカップルが誕生するよう、細かく事務局と打合せを行いました。
そして迎えた当日、私の心配をよそに、満員御礼での婚活イベントが開催され、複数組のマッチングが成立し、参加者の方からも感謝の言葉をいただき感無量でした。
参加者の様子からマッチング成立の事実を目の当たりにし、楽しそうで嬉しそうな姿をみて、改めて幸せのお手伝いは、多様であっていいのだと感じました。
私が今まで思い描いていた「婚活イベント」は、ひやかし半分、そんなイメージに近いものがありましたが、それを覆すとてもポジティブな印象でした。
私たちウエディングプランナーは、結婚式を挙げる方だけがお客様では無く、結婚式を挙げるよりもっと前の段階(のちにカップルとなり結婚式を挙げていただく方々)の幸せもお手伝いもできるのだという事を学びました。
コロナ禍により生活様式が一変し、私たちの常識が非常識に変わり、人々の心情による変化に戸惑いを隠せずおりましたが、私自身も結婚式の挙げ方、その前の出会い方など、時代を元に戻すのではなく、時代に適した提案をする大切さを気付かせてくれた大きな出来事でした。
今後もおきなわ出会い応援企業の一員として、沖縄県内に住む多くの方の幸せのお手伝いをしていきたいと思います。
ウエディングプランナー 髙森 恵利子