COLUMN

2023/05/25
お役立ち情報

データから学ぶ『結婚』

男余りの現実 

 ご存知でしょうか。日本には、結婚できない男性が430万人もいると言われています。
 2020年の国勢調査によれば、未婚男性と未婚女性の人口差は、全年齢合計で約430万人となっています。20~50代に限定しても約350万人も未婚男性が多いのです。

 これは2015年のデータに比べ50万人も増加しており、日本全国の未婚女性がすべて結婚したとしても、430万人の未婚男性には相手がいないということになります。

未婚女性の結婚も簡単ではない

 これだけを見ると、未婚女性は結婚相手を選び放題のように見えますが、そこには現在特有の事情があり、ことはそう簡単ではありません。理由は大きく分けて3つあります。

■理由1・・・そもそも女性に比べ、男性の結婚意欲が低い

 20~39歳までの年齢では、下記の結婚前向き率の表の通り、すべての年齢層で女性のほうの結婚意欲が高く、男性を上回っています。

 男女差分でいえば、25~29歳が16%も女性の結婚意欲が高いのです。未婚者の絶対数では「350万人の男余り(20~50代の場合)」でも、結婚意欲は女性の方が高く、独身の男性が余っていたとしても、そもそも結婚意欲の低い男性は結婚の対象となりません。

■理由2・・・結婚適齢期(20~34歳)ゾーンでの結婚意欲の差

 単純な未婚男女の人口差では、120万人も未婚男性が多い結果となります。しかし、結婚意欲の違いを乗じると、結婚したい人口は男334万人に対して、女335万人と、男女逆転して約1万人未婚女性が多くなります。

 結婚したいと考えている女性に対し、結婚に前向きな男性は意外と少なく、未婚男性が多くいても実際の婚活で女性が苦労する要因の一つであることは間違いないでしょう。

■理由3・・・男性に求める年収のハードルが高い

女性の希望は2018年内閣府「少子化社会対策に関する意識調査」
男性の現実は2017年就業構造調査より20〜30歳だけ抽出して作成

 2018年内閣府の実施した「少子化社会対策に関する意識調査」[結婚を希望している者で結婚していない20~49歳の女性を対象、n(調査数)=1343]によれば、女性が希望する相手の理想の年収は、500万~700万円が32.8%と最も多く、全体の72%が400万円以上を希望しています。


 一方、男性の収入はと言えば、20~34歳の未婚男性の年収分布は400万円未満で81%を占めています(年収額不明を除く)。400万円以上ある未婚男性は2割弱、つまり400万円以上の年収のある未婚男性はたったの19%しか存在しないのです。

 つまり、多くの婚活女性は希望通りの年収を得ている未婚男性とは、マッチングしないことになります。

結婚を取り巻く現状と課題の整理

 結婚前向き度は、ここ30年でほぼ同レベルで推移。皆婚時代の80年台と比べても、結婚したいという意思のある人の割合はあまり変動しておらず、結局のところ結婚に前向きなのは男性39%、女性47%に過ぎません。

 こうした中で、未婚男性と未婚⼥性との結婚は、男余りの状況から難しいと⾔わざるを得ません。


 ⼀⽅、男性が余っているからといって、⼥性がお相⼿を選び放題ということでもありません。そもそも男性の⽅が結婚に対する意欲が低い上に、結婚意欲の⾼い⼥性側は男性に求めるハードルも⾼く、⼥性のおメガネに叶う男性は19%弱(理由3で⼥性が理想とする年収(400万円)のある男性の割合)しかいないないからです。


 未婚男⼥が⾃⾝の努⼒で結婚相⼿を探す=恋愛結婚をすることは現代では困難と⾔えます。恋愛結婚が結婚全体の9割近く占めていた2010年とは環境が⼤きく変化し、社会システムとしての新しいマッチングシステムが必要です。


 結婚にたどり着くには出会いの演出のみならず、恋愛にサポートが必要となり、⼿間と時間をかけなければたどり着けなくなりました。現在、婚活者が選択しているのはマッチングアプリですが、実際のところこうした問題を解決できる新しいマッチングシステムとは、カウンセラーがお相⼿選びからご成婚までサポートする仲⼈婚活ではないかと思うのです。

参照元
令和2年国勢調査 人口等基本集計結果
2018年内閣府 少子化対策に対する意識調査
2017年就業構造調査
2015年国立社会保障・人口問題研究所「出生動向調査」

この記事を書いた人

浅井 正輝

株式会社 日本ブライダル連盟 代表取締役
一般社団法人 日本仲人婚活支援協会代表理事

全国約1600社(グループ含)国内では最大規模の加盟相談室を束ねる
婚活業界50年、仲人婚活のパイオニア。
日本の少子晩婚化の改善にも尽力、自治体などの婚活支援、セミナーや
研修も数多く務める。

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