50歳時未婚率が非常に高い不思議
沖縄県の50歳時未婚率
今回は、多くの方から「沖縄は出生率が全国1位にも関わらず、50歳時未婚率が非常に高いのはなぜですか」と、質問をいただく内容にフォーカスします。
まず、50歳時未婚率とは、50歳までに一度も結婚したことがない人の割合のことを指します。男性は4人に1人、女性は7人に1人が50歳までに一度も結婚したことがないというのが現状です。
※全国と比較した沖縄県の50歳時未婚率
沖縄県では、男女ともに全国平均を上回り、平成27年(2015年)には沖縄県の男性は全国1位、女性は5位と50歳までに一度も結婚したことのない人の割合が非常に高くなっています。
詳しくは、コラム「なぜ、婚活が必要なのか?」を参照下さい。
婚活の分野で活躍されているある大学助教は、沖縄は出生率が全国一位で、第一子の出産年齢も全国で1番低い、離婚率、再婚率も高いにも関わらず、50歳時未婚率が全国に比べて高く、特に男性に至っては全国1位とまさに、「カオスのようだ」と表現されていました。ホント、何が原因?因果関係はあるの?と思ってしまいますよね。
沖縄県で婚活支援をしている私なりの意見として、単純に同じ人が再婚を繰り返している可能性、一方では、全く結婚ができない、しないという人もいるという「両極端の属性がいること」と分析しています。
また、「独身生活が長くなったことで、生活スタイルをかえたくない」という声も伺います。
どうでしょうか?
皆さんの周りを見渡してみてそう感じませんか?
更には、地理的なことに関連して、沖縄では、進学や就職を機に本土へ移住するパターンが多くみられます。20代〜30代にかけて本土で生活をし、UターンやIターンで地元に戻ろうと思った時には、気が付けば40代と、結婚するタイミングを逃したという声も耳にします。
出生率に関しても1世帯あたりの子どもの数が多いということも考えられているので、50歳時未婚率が高くても何ら関係性は低いと思えます。
それでは、結婚をしたくないという人が増えているのか?と視点を変えてもう少し掘り下げていきたいと思います。
これは、全国でおこなわれた「未婚者の生涯の結婚意志」の調査結果をご覧ください。
未婚者の生涯の結婚意思
「いずれ結婚するつもり」と考える未婚者の割合は、高い水準にあり、18~34歳の男性では85.7%、女性では89.3%となっています。
一方で、「一生結婚するつもりはない」と答える未婚者の割合は微増傾向にあり、男性では12.0%、女性では8.0%となっています。
これらの結果からもわかるように、「結婚を望む人は多くいる」ということが読み取れる一方で、50歳時未婚率が高い事実にフォーカスする必要があります。
婚活アドバイザーが聞いた結婚しないワケ
- 給料が安い
- 貯金がない
- 長男だから
- 定職についていない
- 周囲も未婚だから
- 自由や気楽さを失いたくない
- 良い相手と出会わない
具体的には、パラサイトシングルの増加、経済的な理由、祖先崇拝の仏壇に関することなどが挙げられます。
パラサイトシングルとは、社会人になってからも親元で生活し、経済的にも精神的にもいつまでも自立せず、家事など生活全般を両親に依存している未婚者のことを指します。
経済面含め親への依存度が高い傾向があり、自らの収入のほとんどを自由に使えるので、ゆとりある生活に本人は満足している側面もあることから晩婚化への影響はあると言われています。
経済的な理由も根深く、定職についている方など女性側の希望も高まっているのも事実です。
また、未婚者も多いことから、必然的に周囲に未婚者が多く、イベントに参加するなど一歩踏み出す勇気がでないとうことも多いようです。
特に私が婚活イベントを開催するにあたって感じることは、男性が婚活市場へまだ一歩を踏み出せていないと感じています。
女性の参加は埋まるのに、男性の参加状況が中々、芳しくないのが現状です。これは私が主催したイベント以外の他主催でもそのような傾向が見られるようです。
更には、沖縄県が平成27年(2015年)に行った調査によると、結婚に関する課題として、結婚にあたっては、第一に経済的な不安の解消が必要になると考えられ、祝い金の支給や税制優遇に対するニーズが強く、また、経済的な不安にも関連するが、特に若い世代にとっては住宅(家賃)の負担も大きいため、結婚後の住宅確保に関する支援も必要と分析されました。
さらに、雇用の不安定さや所得の低さは経済的な不安に直結し、「仕事が安定するまでは」と結婚を躊躇してしまうこともあり、また、特に男性の場合は、正社員の方が結婚相手を見つけやすい傾向がみられ、交際から結婚に進むためには、特に若い世代の就労支援や正社員化の推進、所得の向上のための取組等が求められるとしています。
その他にも、女性の社会進出が顕著になり、「結婚・妊娠・出産などでキャリアを失うことが怖い、社会復帰できるのか」等といったことや、仕事と家庭の両立に対する関心は、男性よりも女性のほうが高いことも分析され、産休・育休が取得できる環境整備、再就職支援等に関する整備が必要とされています。
上記は社会整備などが挙げられていますが、やはり、結婚は個人の価値観が大きく反映すると私は思います。(この”価値観”については別のコラムでお伝えしたいと思いますが)既婚者や世間一般がもっと「結婚の良さ」を未婚者へ伝えていくだけでも、大きな影響力になると私は思います。
結婚を望む人が結婚しやすい環境になるよう、みんなで応援、支援していきましょう。
〜あなたの幸せは、きっと誰かを幸せにする〜